原発性リンパ浮腫
原発性リンパ浮腫は原因が明らかになっておらず、主にリンパ管や動脈、静脈の先天的な発育不全が原因となり発症するといわれています。古典的な分類によれば原発性リンパ浮腫は、その発症時期によって先天性、早発性、遅発性に分けられています。
先天性のものは、二足歩行が始まる2〜3才までに発症します。自分の足で歩くようになると、ひざに負担がかかりむくみがはじまるので、先天性の原発性リンパ浮腫の疑いがある方は、ひざの皮膚の状態をよくチェックしておくことが大切です。
35歳くらいまでに発症するものは早発性に区分されます。成人への成長段階にあり、新陳代謝が活発に行われる思春期や妊娠により腹部のリンパ管に圧迫を受けた場合などがきっかけとなり発症することがあります。
35歳以降に発症した場合は、遅発性に区分されます。女性の場合は、妊娠をきっかけに発症することが多いため、女性に限っては妊娠の前後で分ける場合もあります。
ただ、このような古典的分類は、病理組織の所見を加味していないので、ケアの方法を考えるうえで限界があります。原因に応じたケアの方法を考える上で役に立つと思われる分類方法として原発性リンパ種の患者の放射線検査結果をもとにしたキマンスの分類があげられます。
これは、原発性リンパ種の患者の足を放射線撮影し、そのリンパ管およびリンパ節の発育形成状態によって分類をしたものです。それによれば、原発性リンパ浮腫は低形成性、無形成性、過形成性の3つに分けることができます。
最も一般的なものは低形成性とよばれるものです。これに分類される患者の足には小さく少数のリンパ管があり、リンパ節も小さいことが多いです。低形成に分類されるリンパ管はまがりくねったものが多く、患者の中にはこの曲がりくねったリンパ管からリンパ液などの組織液が皮膚へ逆流する症状が見られます。
無形成性に分類されるものは、リンパ幹がないものです。これに対して、過形成性に分類されるのは、太いリンパ幹があるが、リンパ幹として機能を果たしていないものです。これらの場合は、たいてい片側の腕と足に発育不全のリンパ管が見られるようです。
このように分類はできますが、原発性リンパ浮腫はいまだ原因が不明であるため誰しも症状がでる可能性があります。特に原発性上肢のリンパ浮腫の場合、手の甲よりも脇のまわりやひじのまわりからむくみが始まったと感じる患者がいます。これは、初期の軽症段階の場合、自覚症状がなく皮膚に違和感もほとんど生じないため気がつかないうちに症状が進行したことが考えられます。むくみを自覚した部位と実際にむくみが生じている部位とは差があることがありますので日ごろから全身をこまめにチェックするようにしたいものです。