リンパ浮腫と治療
リンパ浮腫の治療が安全に行われるために、治療前には医師の診察が必要です。医師の適切な診察を受けて、基礎疾患の現状、皮膚疾患の有無などを確認し、具体的な治療計画をたてましょう。
リンパ浮腫の基本となる治療方法は、スキンケア、医療徒手リンパドレナージ、圧迫療法、運動療法の4つです。これら4つの治療法をうまく組み合わせることで、相乗効果をもたらしリンパ浮腫の改善につなげることができます。
こうした効果を最大限高めるためにも、治療開始のはじめの段階では、専門知識をもったセラピストから指導を受けることが大切です。セラピストは、患者一人ひとりの既往歴や現病歴について書かれた診療情報提供書に基づいて、個人個人にあった適切な治療計画をたてます。そして、治療開始後は、定期的に経過報告書を医師に提出し、治療状況、回復経過について報告します。
リンパ浮腫の症状は個人差が大きいので、一人ひとりの状況を正しく判断することが重要です。治療の際には、セラピストによる精神的なサポートも重要です。専門家によるスキンケアやリンパドレナージは、症状に苦しむ患者の精神的な安定に大きく役立ちます。暖かくやさしいマッサージにより、患者に安堵感が生まれ、呼吸が楽になるといわれています。もっとも、こうした効果を生むためには、セラピスト、医者と患者の間に信頼関係があることが前提です。医者やセラピストの何気ない一言が患者をつらい思いにさせてしまうことも少なくありません。普段からお互いによく話しあい、患者も日常の治療に対して感じていることを率直に伝えてお互いをともに病気と闘うよきパートナーとすることが大切です。
リンパ浮腫の痛みがひどい場合には、薬物療法に加え、TENS治療を行うことも選択肢のひとつです。通常、リンパ浮腫は痛みを伴わない場合が多いのですが、乳がんの治療などにより乳房を切除した後、リンパ浮腫を発症した患者の大半は上肢にずきずきとした痛みを感じることが多いようです。TENS療法とは、経皮的電気神経刺激法の略で、こうした痛みを緩和するために電気刺激を与える治療法です。1日に3回、1回1時間の治療を行うと、わずか2日後にはリンパ浮腫の広がりがかなり縮小するというデータも存在します。リンパ浮腫に対するTENS治療は、痛みを伴うリンパ浮腫が多くないこともあってそれほどメジャーな治療法ではありませんが、これからリンパ浮腫への有効な治療法となりうる可能性を秘めているといえるでしょう。